私は一時Foveonを諦める事を考えα99のサンプル画像を焦った。
正直私の感情を揺さぶる作品には出会えなかった。
正直な気持ち・・・「このレベルならα900で撮れるじゃん。」なのである。
SD1Merrillで撮った写真を見た時のような頭をガツーンと殺られる衝撃は受けなかった・・・
SD1Merrillで撮った写真は素晴らしい。
私は試しに一枚の写真のRAWファイルをSIGMAPhotoProで16bitTIFFに現像してみた。
このRAWファイルは44.3MBある。
16bitTIFFのファイルサイズは88.6MBとなった。
合計132.9MBである。
これをAdobeのPhotoshopLightroomに読み込んで微調整した写真が以下に示す写真である。
何の事は無い普通なコスモスの写真である。
しかし・・・この解像感を出せる画像センサは・・・少なくとも私はFoveonしか知らない。
16bitTIFFを用いても150mmMacroのレンズプロファイルは適用できなかった。
しかしこれは大した問題では無い。
私がSD1Merrillで主に使うレンズは以下である。
- SIGMA_APO_MACRO_150mm_F2.8_EX_DG_OS_HSM
- SIGMA35mmF1.4_DG_HSM
この2本は素晴らしいレンズで私は後処理での補正の必要性は感じない。
レンズプロファイルは適用できなくても問題無い。
他にSIGMA18-200mmF3.5-6.3Ⅱ_DC_OS_HSMも持ってはいるが、滅多に使わないしLightroomは手動でも歪曲補正ができるので・・・まあ妥協できるだろう。
SD1Merrillを使う上で問題点となるのは以下の二点だ。
- ファイルサイズ
- 現像に要する手間
ファイルサイズ:
正直RAWの44.3MBだけでも大きいと思う。
色空間にAdobeRGBを選択したα900のRAWファイルのサイズは約26MBだ。
しかし色補完を必要としないというFoveonの特性とのトレードオフと考えれば約45MBのRAWファイルは許容しなければならないと思う。
問題はこれを16bitTIFFに現像すると88MB以上となる点だ。
合計130MB以上となるとα900とは桁が違う。
仮に年間10000枚の写真を撮影するとその保存コストはどんぶり勘定でも年間約1.2TBに登る。
「3TBのベアドライブが1万円で買える時代だし大した事ないでしょ?」とTwitterで私に意見した御仁が居たが御仁は何年先まで見ているのだろう?
PCに増設できるDrive数には限度がある。
私のようにMacを使っている人はThunderboltを使えばデイジーチェーンで複数台の外付けDriveを繋ぐ事も出来るがコストは何倍にも膨れ上がる。
そもそも色情報を12bitで持っているX3Fファイルを16bitTIFFに変換している時点でオーバースペックなのである。
やはり私には16bitTIFFは現実解には成り得ないと思う。
現像に要する手間:
α900であれば撮影後直接RAWファイルをPhotoshopLightroomに読み込ませ、パラメータをちょちょいとイジれば現像完了である。
ピントを外している等不要なファイルもその場で削除できる。
一方現状のSD1Merrillはどうだろう?
SIGMAPhotoProには一括現像という機能があるのでこれを用いる事で16bitTIFFに自動で変換できる。
変換後の16bitTIFFをPhotoshopLightroomに読み込ませればレンズプロファイルを適用できない等の一部制限事項はあるもののRAWに近い感覚で現像作業をできる。
しかしピントを外している等使えない写真を発見した場合PhotoshopLightroom上で16bitTIFFファイルを削除しただけでは約45MBもの容量を誇るRAWファイルが残ってしまう。
これを手作業で探しだして削除するという作業が伴う。
やはり問題点はAdobeがRAW対応しないと解決しないと感じる。
その可能性が限りなくゼロに近い今、お先は暗いと感じる。
(SIGMAPhotoProがAdobePhotoshopLightroom並の機能と性能を備えれば話は別だが、その開発コストをカメラの価格に上乗せするの?)
私がユーザとして動いた感触およびLightroom4.3でDP1Merrillのレンズプロファイルに対応している点からAdobeも本音ではSIGMAのカメラをサポートしたいのではないかと感じる。
SIGMAさえその気になって動けばAdobeのエコシステムでのSIGMAのカメラのRAWサポートは実現すると感じる。
しかしながらSIGMAにその気は無いと言う・・・もったいない話である。
SONYも3層センサーの特許を取る等開発を行なっているようでありSIGMAに残された時間は少ないと感じる。
SIGMAは本気でカメラ事業を経営の柱の1本にする覚悟があるのだろうか?
私としてはFoveonの描写に惚れ込んでおり気に入ったレンズも手元にある事もあり、以下の方針で使って行こうと考えている。
- 普段の写真撮影は妥協してα900で行う。
- たまに気分でSD1Merrillを使う。
- もしAdobeがSD1MerrillのRAWに対応するという奇跡が起きたらSD1Merrillを普段から使う。
私個人としてはSIGMAにはカメラ事業を経営の柱の1本として健全に育てて欲しいと考えている。
その為にはAdobeのエコシステムでRAW対応される事は必須事項であると考える。
内部情報は知らないので推測の域を出ないがこれはSIGMAの努力次第で十分可能な事であると感じる。
逆にAdobeにRAW対応を促せない理由があるならば納得できる理由を正確に説明する説明責任がSIGMAにはあると考える。
良い未来が待っている事を期待する。m(_ _)m
Twitter方面でリクエストいただいたので、こちらにもコメント書いておきます (^_-)
数年後には128TBのハードディスクが六千円くらいで買えるようになりますよ。
ですからマシンスペックのハード的な限界やファイル容量の多さはあまり気に留める必要はないと思います。(^_^)
それよりもアドビの正規ユーザーが、アドビ本体へガシガシ、フォビオンカメラのサポートを強く要求すべきだと思います。
(シグマはサポート用のデータを提出しているそうですので、
サポートしないのはアドビ側の経営的なのか政治的なのかよくわからない闇の判断が理由ですから)
けーざいさん。ご訪問&コメントありがとうございます。
これを書くのは正直心苦しいのですが・・・あなたのご指摘は的を外れています。
Adobeの正規ユーザには私以外にもSIGMAのRAWサポートを要求している人は沢山います。
それでもサポートされていません。
確かにサポートされない理由はユーザに取っては闇です。
この理由を知っているのはAdobeとSIGMAだけでSIGMAが強く要求したり協力したりしない限り現状は変わらないと思います。
私はこの点をSIGMAに指摘していますが、SIGMAからは「(オブラードに包んだ表現で)Adobeとは交渉しない。」と回答を得ています。
一連の記事はSIGMAのこの態度を批判する為に書いている記事です。
AdobeのエコシステムにRAWサポートされる事によってSIGMAのカメラシステムのポテンシャルは開放され、ユーザ、SIGMA、Adobeの3者いずれにも利益になると信じています。
私はそのような未来を望んでいます。
どうもこんばんわ。私が関係者から人づてに聞いた話ですと、シグマさんは各社に対応をプッシュしているそうですから、そこいらへんは事実関係の再確認が必要だと思いますね。
しかし最終的にアドビ製品の中身をコントロールするのはアドビ社しかいないわけですから、
シグマが強く強く動いても相手にされなければ何の意味もありません。
その意味でも我々がシグマを非難しても、どうにもならないことだと思います。
シグマが動こうが動くまいが、直接アドビ社へユーザーが要求したほうが筋が通る話なのではないかと思うのですが、いかがでありましょう?(^_^)
「私が関係者から人づてに聞いた話ですと」とは具体的にはどのような情報ソースで、どの程度信用できる情報ソースでしょうか?
私はこの記事からもハイパーリンクを張っている記事で書いた様に両社のサポートに確認した上で記事を書いています。
記事を読んでいただけているならご理解頂けていると思いますが当然両社に対して筋は通しています。
情報ソースは明確にしてください。
またデジタル一眼レフカメラに精通した方ならAdobeのエコシステムにRAW対応される事の重要性はご理解いただいている事と思います。
サポートのされるか否かはカメラシステムの生死を分ける問題であり個人レベルの話で無い事も当然ご承知の事と思います。
SIGMAが強く動いて相手にされなかったのならユーザが個人で動いても無駄な事です。
本文にも書きましたようにSIGMAには強く動いてダメだったのならその経緯を説明する説明責任があると思います。