「ISO感度は固定にして撮影しなければNG」と言われて絶句した話 #camera

撮影に集中するとイナバウアーを披露するクセがあるカメコ [モデル:大川竜弥]

コピーライト:つるたま
モデル:大川竜弥

デジタルカメラについての話です。

私は普段からISO感度を手ブレしない最低感度に都度変更して撮影しています。
手元のダイヤルを回すだけでISO感度が変わるようにカメラを設定しています。
ダイヤルを1ノッチ回すだけでカメラが測光し直して最適な露出になるようにシャッター速度を弾き出し表示設定してくれるので好んで使っています。
(デフォルトの設定だと「ISO感度変更ボタンを押下」→「ダイヤルを回してISO感度を選択(この時シャッタースピードは確認できない)」→「シャッターボタン半押しで決定(この時初めてシャッタースピードが表示される)」→「シャッタースピードを確認」→「以下繰り返し」と言う長い工程を必要とするのでシャッターチャンスを逃します。)

しかし、この話を先輩カメラマン(あえてフォトグラファーとは呼びません)にしたら・・・

「露出の感覚を身に付ける為にISO感度は固定で撮影しなければならない!!」と一喝された

話の経緯はこうです。

先輩A(一応プロのカメラマン) 君はカメラをもっとしっかり構えた方が良いよ。
ダイヤルを操作し易い範囲でしっかり構えられる構え方を研究した結果この構え方になりました。(普通に右手でグリップを握って、左手はレンズマウントの辺りに添えています。脇を閉めて構えています。)
先輩A 設定なんて絞り位しか変えないんだからもっとしっかり構えられるだろう?
 なるべく低いISO感度で撮影したいのでダイヤルを回すだけでISO感度を変更できるように設定しているのです。「絞り値変更ダイヤル」と「ISO感度変更ダイヤル」の2つを素早く回せる範囲で一番しっかり構えられる構え方を探求した結果、この構え方になりました。
 先輩A ISO感度は固定にして撮影しなければダメだよ。露出の感覚が身につかない。
それは「普段からマニュアルモードで撮影するべき。」と言う意見ですか?(露出の感覚を身に付けると言う事は「カメラの測光機能に頼るな!!」って事だろう。)
先輩A  なんでそこでマニュアルモードの話が出て来るんだよ!!

Aモードに決まっているだろう!!今時マニュアルモードなんて使う奴は居ない!!

Aモードを使っている時点でカメラが測光機能でシャッタースピードを自動で弾き出しているのだから自分で露出を決めている事にはなりませんよね?

それにISO感度固定って実際その場での測光結果ではもっと低い感度で撮れるのに固定と決めつけて高い感度で撮るのもったいないですよね?

設定に手間取ってシャッターチャンスを逃すなら問題外ですけど、ダイヤル回すだけで素早く変えられるなら最適なISO感度で撮影した方が良くありません?

先輩B(アマチュアカメラマン) 〜先生(私も名前は知っているポートレートでは一流のフォトグラファーです。)が「ISO感度は固定して撮りなさい。」と言っていました。だから、そうしなければダメなんだよ。
先輩A  先輩Bは〜先生の授業を受けてきた方。〜先生もそう言っていたのだから君は間違っているんだよ。
絶句。

「先輩A」と「先輩B」の言っている事はツッコミどころ満載だと私は思っています。
みなさんはどう思いますか?

喧嘩になると嫌だったし、宗教を信じている人には何を言っても無駄なので、その場では話を流しました。
この時以降「先輩A」「先輩B」と撮り歩くのは止めました。

ツッコミどころ1:ISO感度は固定で撮影しなければならない

デジタルカメラがアナログカメラより優れている所は色々あると思います。
その中でもスグに思いつくのが「ISO感度可変で撮影できる。」ではないでしょうか?

確かにデジタルカメラの高感度性能は飛躍的に進化しました。
正直私にはISO100で撮った写真とISO200で撮った写真を見分ける自信はありません。

だから高感度を多用して良い?

私はそうは思いません。
画像センサを設計した人はベース感度(普通ISO100)で撮影した時に最も美しく撮影できるように画像センサを設計しているハズです。
なるべくベース感度に近いISO感度で撮影した方がよりリッチなメタデータ(=RAWファイル)を取得できるハズです。

確かにカメラをしっかり構える事は重要です。
カメラをしっかり構える事でより低速のシャッタースピードで撮影する事ができます。(=よりベース感度に近いISO感度で撮影できます。)

しかしISO感度を固定・・・言っている事が矛盾してません?

ツッコミどころ2:「露出の感覚を身に付けなければならない。」と言いながらAモードを使用

露出を決める三大要素は

  • シャッタースピード
  • 絞り値
  • ISO感度

です。

「露出の感覚を身に付ける。」と言うなら、この三大要素を自分で決まられるように訓練しなければダメでしょう。
Aモードを使っている時点でカメラの測光機能に「シャッタースピード」を決めてもらっている事になります。
つまり露出はカメラが決めている事になります。

Aモードを使っている限り露出の感覚は身に付きません!!

私は「露出の感覚が身に付いているならそれに越した事はないが・・・カメラの測光機能を使う以上、その感覚は参考程度にしかならない。」と思っています。

時間に余裕があるならマニュアルモードISO感度固定で練習するのは有益です。
しかし・・・折角カメラに測光機能が付いているのです。
使える機能は最大限利用して、その時間を作品の創造に当てた方が有意義だと思いません?

人生は有限です。
シャッターチャンスは一期一会です。

ツッコミどころ3:「〜先生がそう言っていました。だから、そうしなければダメ」

これは・・・たぶん・・・〜先生の言っている事を誤解していると思います。

私の記憶が正しければ「〜先生」はフィルム時代・・・それもカメラに測光機能が無かった時代から訓練を始めているハズです。
当時の写真を学ぶ学生は首から測光計を下げていて、頻繁に確認する事で

  • シャッタースピード
  • 絞り値

を決められるように訓練していたと聞いています。(当時はフィルムなのでISO感度はフィルムを選んだ時点で固定です。)

たぶん「〜先生」は「当時の学生と同じ訓練をする事は有益だ。」と言いたかったのだと思います。
当然「シャッタースピード」「絞り値」は自分で決める前提で「ISO感度固定にしなければダメだ。」と言っていたのだと思います。

だぶん・・・「先輩A」「先輩B」はそれを曲解してしまったのではないかなぁ(・・?

結局は自分で考えて自分の答えを導き出すしかないと思うのです

私は「他人の意見を聞き、自分なりに咀嚼して、自分の考え方を改善する。」事は重要だと思います。

例えば「先輩A」は流石にプロの方だけあって「手持ちで撮る事」「カメラを安定して構える事」には凄くこだわっている方です。
正直カメラの構え方については私も彼の影響を大きく受けています。
そして自分なりの考え方をプラスして今の構え方にたどり着きました。

「先輩A」も自分なりに考えて今のスタイルに辿り着いたのでしょうから・・・「先輩A」と少し違う事をしている私に対して「それは違うよ。私の考え方では・・・」と意見したいのはわかりますし、ご意見頂けるのはありがたいです。
ただし、「自分と違う答えもある。自分の答えも正解。相手の答えも正解。写真に絶対解は無い。」と言う事を受け入れられないのは人間が小さいかな?とも思います。

極端な話をすれば、

  • 最高の画質を求める為に絶対ISO100で撮影する。三脚必須
  • シャッターチャンスは絶対に逃さない。絶対手持ち。ISOAutoも利用してカメラに任せられる事はすべてカメラに任せる

どちらも正解だと思うのです。

私が言いたいのは

  • (他人の意見も参考にし、)自分で考え悩み苦しむ。そして自分のスタイルを確立する。自分なりの作品を創造する
  • 「自分の作品、スタンス。」「他人の作品、スタンス」両方認める。他人を否定しない

それが「フォトグラファー」じゃないかな?っと言う事です。
少なくとも「〜先生が言っていたから、そうしなければならない。それ以外は間違っている。」ってのは問題外じゃないかな?

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